口下手な海上自衛官は、一度手放した元許嫁に海より深い愛を捧ぐ
「何かをしてほしいわけじゃ、ありません! 私はただ、清広さんと一緒に痛いだけです! それじゃ、駄目なのですか……?」
「そんなわけが、ないだろう」

 清広は否定の言葉を絞り出すと、彼女の身体を力強く抱き寄せた。

「俺も、同じ気持ちだ」
「だったら、こんな提案……しないでください……」
「すまない……」
「何度謝ったって、許しません……!」

 珍しく本気で怒っているつぐみは、彼の胸元で握りこぶしを作ってポカポカと叩きながら、涙声で訴えかけた。

「何も言わずにいなくなったかと思えば、ふらりと帰ってきて。離婚しようと一方的に提案してくるなんて! それじゃ、あの時と同じではありませんか!」
「……ああ」
「別れようと何度も清広さんから提案される私の気持ち、本当にわかっていますか? 大好きな人に拒絶されるのって、本当につらいんですよ……!」
「すまない……」

 つぐみに責められた清広は、普段の勢いが鳴りを潜め随分と大人しい。
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