口下手な海上自衛官は、一度手放した元許嫁に海より深い愛を捧ぐ
「やるべきこと、たくさんありますね」
「ああ」
「俺は基地から二時間以内に通える範囲の場所であれば、問題ない。つぐみの職場に近いところに、家を借りよう」

 これから二人は、何度も頻繁に引っ越しをすることになるだろう。

 そのたびに職場を変え、住む場所を探すのは、大変なこともあるかもしれない。

「そうですね」

 ──それでも。

 つぐみは清広と一緒なら、どんな困難も乗り越えられると信じている。

「会えない日が多く、苦労をかけるが──こうして触れ合える距離にいる時は、とびきりの愛を注ぎ込んでやる」
「はい……っ!」

 つぐみは満面の笑みを浮かべると、彼の唇を拒むことなく受け入れた。

(離れていた分だけ、たくさんの愛を感じたい)

 恋とは、障害が多いほど燃え上がるものだ。

 離れている間に伝えられなかった分だけ、心の奥底に押し留めていた想いを打ち明けることさえできたのなら──二人は生涯、相思相愛な夫婦として、幸福な結婚生活を続けられるだろう。

「愛している。永遠に、離さない」
「頼まれても、離れません……」

 情熱的なキスを交わした二人は、愛する人が触れ合える場所にいる幸せに浸った。
< 160 / 160 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:66

この作品の感想を3つまで選択できます。

  • 処理中にエラーが発生したためひとこと感想を投票できません。
  • 投票する

この作家の他の作品

聖女のいない国に、祝福は訪れない【電子書籍化】

総文字数/91,396

ファンタジー200ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
──その日、一人の聖女が崖下の側へと身を投げた。 双子の妹こそが真の聖女であると語る皇太子に婚約破棄を突きつけられたからだ。 敵国に流れ着いた聖女フリジアは、悪逆非道の皇帝セドリックに見初められる。 「俺が君を、守ってみせる」 「もう二度と、繋いだこの手は離さない」 「エル・アルカ・ディーネ。祝福の光を」 流行り病の蔓延を癒しの力で未然に防いだフリジアは、アーデンフォルカ帝国で愛されし聖女となる。 「ゆ、幽霊!?」 セドリックと共に母国へ姿を見せたフリジアに驚く皇太子へ、彼女は自ら印籠を渡す。 「聖女のいない国に、祝福は訪れない」 ――これは七年間虐げられた聖女の、逆転劇。
表紙を見る 表紙を閉じる
 乙女ゲームの攻略対象から想いを寄せられ命を落とす、ヒロインの妹に転生した聖女エミリエは、三英雄と魔王討伐の旅に出る。  己の死と彼らの苦痛を取り除くために次々と起こる身体欠損イベントを肩代わりし、左目、左手足を失った。  聖女を嫌っていたはずの男達は曇り、彼女に執着し始める。 「行く手を阻む敵は、全員僕が見つけてあげる」 「誰にも渡せねぇし、傷つけさせねぇ」 「エミリエは、俺が守る」  無事に魔王を討伐して帰還した直後、癒やしの聖女がエミリエを亡き者にしようと目論む。  しかし、エミリアは屈しない。  彼女は三英雄の寵愛を受ける、聖女なのだから……。 *  ※一方的に曇った男性陣から溺愛される話。  アルファポリス・小説家になろうに投稿中
表紙を見る 表紙を閉じる
 亡き王の遺言によって行われた、武闘大会。  ベゼルノーチェ王国の女王リベルラは、幼馴染が絶対勝つと信じていた。  しかし、勝利を収めたのはスラム街育ちの狂犬リガルドだった。 「これからよろしく。俺の奥さん」    2人は夫婦となり、最悪の初夜を執り行う。 「あんたは黙って、俺に愛されとけ」  ある日、夫が己に対して幼い頃から執着心と狂愛を向けていると知り、2人の距離は近づく。 「どれほど惨めな想いをしようが、生き抜いてやる」  幼馴染がリガルドの殺害計画を企て失敗した直後、ある秘密が明らかになる。  それは夫が誇り高き公爵家の血を引く、落胤という事実だった――。  偽りの騎士に裏切られた誇り高き女王が、正体を隠した狂犬に愛を刻み込まれる話。 ※  ムーンライトノベルズにて投稿中の作品から、  成人描写をR15程度にしたものになります。  (タイトル、名義が異なります)  その他、内容は変更ありません。 2026/7/2~

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop