口下手な海上自衛官は、一度手放した元許嫁に海より深い愛を捧ぐ
「清広さんは、自分勝手ですね」
つぐみを守ってくれる唯一の存在は、清広だけ。
学生時代のつぐみにとって、彼は世界のすべてだった。
(けれど、今は違う……)
愛する人から捨てられた彼女を守ってくれる人など、どこにもいない。
信じられるのは自分だけだと、彼と離れて過ごした十年間でよく理解している。
「つぐみ……?」
──だからこそ。
昔のまま成長すらしていないと勘違いした状態で、今のつぐみを知りもせず。
自分の気持ちだけを優先して、清広が手を差し伸べてきたことに怒りを感じた彼女は──。
「清広さんとは、結婚しません」
自分の気持ちに嘘をつき、はっきりと強い口調で宣言した。
つぐみが二つ返事で了承し、甘い雰囲気が醸し出されると思っていた彼は、目を見張った。
彼女の潤んだ瞳の奥に、静かな怒りの炎が揺らいでいることに気づいたからだろう。
「交際している男性が、いるのか……」
「いません」
「なら……!」
「私と清広さんの関係は、もう終わったんです。新しく始めるなんて、できません」
「つぐみ!」
清広は彼女の名を呼ぶと、勢いよく彼女に飛びついた。
このままでは逃げられてしまうと、本能的に悟ったのだろう。
つぐみを守ってくれる唯一の存在は、清広だけ。
学生時代のつぐみにとって、彼は世界のすべてだった。
(けれど、今は違う……)
愛する人から捨てられた彼女を守ってくれる人など、どこにもいない。
信じられるのは自分だけだと、彼と離れて過ごした十年間でよく理解している。
「つぐみ……?」
──だからこそ。
昔のまま成長すらしていないと勘違いした状態で、今のつぐみを知りもせず。
自分の気持ちだけを優先して、清広が手を差し伸べてきたことに怒りを感じた彼女は──。
「清広さんとは、結婚しません」
自分の気持ちに嘘をつき、はっきりと強い口調で宣言した。
つぐみが二つ返事で了承し、甘い雰囲気が醸し出されると思っていた彼は、目を見張った。
彼女の潤んだ瞳の奥に、静かな怒りの炎が揺らいでいることに気づいたからだろう。
「交際している男性が、いるのか……」
「いません」
「なら……!」
「私と清広さんの関係は、もう終わったんです。新しく始めるなんて、できません」
「つぐみ!」
清広は彼女の名を呼ぶと、勢いよく彼女に飛びついた。
このままでは逃げられてしまうと、本能的に悟ったのだろう。