口下手な海上自衛官は、一度手放した元許嫁に海より深い愛を捧ぐ
(いろんなカレーに、挑戦できるようにしなきゃ)

 料理は苦手だが、市販のルーを使えば切って茹でるだけだ。
 このメニューであればいろんなバリエーションを作れると自負するつぐみはそう心の中で意気込むと、清広が用意した料理を完食した。

「清広さん。食器を……」
「明日でいい」
「浸け置き洗いをしないと、汚れが……」
「つぐみと、離れたくないんだ」
「……ですが、このままと言うわけには……。身を清めないといけないですし……」
「一緒に入るか」

 思わぬ提案を受けたつぐみは、顔を真っ赤にして清広を見上げる。

(一緒に、お風呂……?)

 ──つまり、彼氏の前で肌を晒すと言うことだ。
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