口下手な海上自衛官は、一度手放した元許嫁に海より深い愛を捧ぐ
5・サーベルアーチの祝福を受けて
(あれ? 私……)
意識を覚醒させたつぐみは、ぼんやりと見慣れない天井を見つめる。
何度も瞳を瞬かせた彼女は、すぐさま身体の異変に気づいて顔を顰めた。
(清広さんにプロポーズされて、それを受け入れたあと……。彼の部屋で、私……)
つぐみは昨夜、鍛え抜かれた上半身を惜しげもなく晒した清広が覆い被さり、額から汗を流しながら見下す姿を思い出した。
彼女は痛む腰と気怠い身体をゆっくりと動かして、ベッドから起き上がる。
「清広さん……?」
キョロキョロとあたりを見渡して彼の姿を探すが、どこにも見当たらない。
(まさか、また……。何も言わずに、お仕事に向かったんじゃ……)
シーツにくるまったつぐみは一度自室に戻って着替える時間すらも惜しいと、清広の部屋から廊下を経由してリビングへ向かう。
「ああ。無理を言ってすまない。これを逃すと、いつできるかわからないからな……」
つぐみがドアを開けた瞬間、清広の声が聞こえてきた。
耳にスマートフォンを当てているところを見るに、どうやら彼は誰かと電話をしているようだ。
意識を覚醒させたつぐみは、ぼんやりと見慣れない天井を見つめる。
何度も瞳を瞬かせた彼女は、すぐさま身体の異変に気づいて顔を顰めた。
(清広さんにプロポーズされて、それを受け入れたあと……。彼の部屋で、私……)
つぐみは昨夜、鍛え抜かれた上半身を惜しげもなく晒した清広が覆い被さり、額から汗を流しながら見下す姿を思い出した。
彼女は痛む腰と気怠い身体をゆっくりと動かして、ベッドから起き上がる。
「清広さん……?」
キョロキョロとあたりを見渡して彼の姿を探すが、どこにも見当たらない。
(まさか、また……。何も言わずに、お仕事に向かったんじゃ……)
シーツにくるまったつぐみは一度自室に戻って着替える時間すらも惜しいと、清広の部屋から廊下を経由してリビングへ向かう。
「ああ。無理を言ってすまない。これを逃すと、いつできるかわからないからな……」
つぐみがドアを開けた瞬間、清広の声が聞こえてきた。
耳にスマートフォンを当てているところを見るに、どうやら彼は誰かと電話をしているようだ。