連理の枝と比翼の鳥 リアムとトビアス
少し開いた口の端から唾液が伝うのを見ると、それは僕をより興奮させた。

キスをしようとした時、彼の体がはねて痙攣をした。

あああ・・・吐息とともに声がもれてしまう。

僕の体にも強い快感が、下から頭に向かって電撃のように走った。

そのまま、抱き合ったまま余韻を感じていると、トビアス様の少しかすれた声が耳元で響いた。

「リアム、・・・私は君と・・・こんな関係を望んでいるわけではない」

「僕の事・・・嫌いですか?」

僕はしがみつくように、その背中を抱きしめた。

「その、そうではなくて・・・君は・・・もっと自分を大切にすることを学ぶべきだ。
そして・・・愛する人と、お互いの気持ちを深く、分かち合うために」

トビアス様は、今度は力を入れて、僕を押しのけた。

「欲望に流されるままに・・・それは虚無でしかない」

虚無・・・

彼は壁に手をついて、ゆっくりとバスルームに戻った。

僕はうなだれてまま、そのシャワーの音を聞いていた。

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