凍った花がとけるとき
急いで家に帰って夕飯を食べ、後片付けを済ませてリビングで副社長を待っていると、予想していたよりだいぶ早く玄関の扉が開いた。
どきっとして慌てて立ち上がる。
帆足くんにもらった勢いで、今日伝えなければいけない気がした。しばらくして、リビングと廊下を遮るドアが開く。
目の前に立って「おかえりなさい」と言うと、まさかそこにいると思っていなかったのか副社長が目を瞬かせた。
「ただいま」
「はい、早かったですね」
「なんか先方も早く切り上げたかったみたい。お孫さんが家に遊びにきてるんだって」
そりゃ早く帰りたいよね、と笑う副社長に、今日も上手くいったのだなと安心する。そういう話を聞き出して、楽しく会話を続けるのも副社長のすごさのひとつだから。
「三崎さんは? 帰りは大丈夫だった?」
「はい、わりとすぐ出られたので。渡辺さんをすぐ呼びつけてしまって申し訳なかったんですけど」
「はは。会食先の駐車場で待ってるの、嫌みたいだからちょうど良かったんじゃないかな」
「いつも気まずそうにされてますもんね」
「そう。別にいったん外してくれてもいいんだけど、それも嫌みたい」
話しながら、手を洗いにいく副社長のあとを洗面所までついていく。緊張しているのに、少しでも一緒にいて会話をしていたい、不思議な気持ちだ。
そんなわたしに、副社長は「親鳥になった気分だけど、どうしたの」と笑っていた。
どきっとして慌てて立ち上がる。
帆足くんにもらった勢いで、今日伝えなければいけない気がした。しばらくして、リビングと廊下を遮るドアが開く。
目の前に立って「おかえりなさい」と言うと、まさかそこにいると思っていなかったのか副社長が目を瞬かせた。
「ただいま」
「はい、早かったですね」
「なんか先方も早く切り上げたかったみたい。お孫さんが家に遊びにきてるんだって」
そりゃ早く帰りたいよね、と笑う副社長に、今日も上手くいったのだなと安心する。そういう話を聞き出して、楽しく会話を続けるのも副社長のすごさのひとつだから。
「三崎さんは? 帰りは大丈夫だった?」
「はい、わりとすぐ出られたので。渡辺さんをすぐ呼びつけてしまって申し訳なかったんですけど」
「はは。会食先の駐車場で待ってるの、嫌みたいだからちょうど良かったんじゃないかな」
「いつも気まずそうにされてますもんね」
「そう。別にいったん外してくれてもいいんだけど、それも嫌みたい」
話しながら、手を洗いにいく副社長のあとを洗面所までついていく。緊張しているのに、少しでも一緒にいて会話をしていたい、不思議な気持ちだ。
そんなわたしに、副社長は「親鳥になった気分だけど、どうしたの」と笑っていた。