あばかれ、奪われる〜セフレから始まる歪愛〜



「汗すごいね。今は休憩中?」

「おー。15分くらいしかないけどな」

「そうなんだ。舞台、もうすぐだもんね」


那由多は来月に舞台を控えており、今はその大詰めだ。対して私は先日クランクアップを迎え、少しだけ余裕が出てきたので和泉さんに連絡をした上で此処にきている。


「頑張ってね。チケット確保して萌葉と観に行くから」


サイン色紙とパンフレットが入っているであろう紙袋を抱きしめながらそう笑いかける。那由多はもう一度喉元の汗を拭うと、「いい」と首を振った。


「お前らの席くらい用意しとく。来れそうな日程だけ教えろ」

「え、でも…」

「チケット取るのだって手間だろ。それにお前、CM決まったっつってたじゃん」


忙しいんじゃねえの、そう言う那由多に眉を下げて笑った。


「ありがとう。じゃあ、せっかくなら特等席で見せてもらうね」

「おう」


那由多の返事を聞き、これ以上は休憩時間を邪魔できないからまたねと言えば、名前を呼ばれ呼び止められる。


「お前、なんかあったのか」

「…え?」

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