あばかれ、奪われる〜セフレから始まる歪愛〜
最近、私は不眠症に悩まされている。
疲れているのに布団に入ってもなかなか寝付けない日が近頃ずっと続いていて、睡眠薬を処方してもらって誤魔化してはいるものの、やはり最近の出来事は心身に負担をかけていたらしい。
けれどそんな事誰にも関係ない。言う必要もない。
これは私自身の問題だから、誰かに心配をかけさせるのも、酷く心苦しい。
「じゃあ練習頑張って。またね」
そう告げて建物を後にした。
数メートル歩いたところでキャップを被り、視線を落とす。
実のところ数日前に一度だけ、漣から連絡がきていた。
[元気?]
それだけ書かれたメッセージに、私は未だ返信していない。なんて返していいかわからなかった。
元気なわけない。誰のせいだ。責め立てる言葉は沢山浮かぶのに、それを書こうとは思わなかった。
もう考えたくなかった。関わりたくなかった。
あの日胸を抉られた傷は未だズキズキと痛み、絶え間なく私の心を蝕んでいる。
そしてその次の週末、ドラマの最終回が放送された。