あばかれ、奪われる〜セフレから始まる歪愛〜
「はいコレ飲んで」
「…なにこれ」
「ホットミルク。蜂蜜入れたから甘いよ」
「…なんで?」
「昔よく祖父さんに作ってもらったんだよね」
答えになってない答えが返ってきて頭を傾げれば「甘いの嫌い?」と聞かれたので首を振った。
「すぐ太るから食べないだけで、甘いのは好き」
「なら良かった」
漣は残りをもうひとつのカップに注ぐと鍋を水につけ、ソファへと促してきた。
「どうしてホットミルクなの」
隣に腰掛けてくる漣にそう尋ねる。漣はコップを置き、私の膝に肌触りの良いブランケットをかけながらのんびりと答えた。
「白雪があんまり寝れてないんじゃないかと思って」
漣の言葉に、驚きのあまり目を見開いた。
「…気付いてたの?」
「俺以上に白雪の事見てる奴なんていないと思うけど」
言いながら漣は目元に触れてくる。
労わるような優しい瞳に、宝物に触れるみたいな手に、腹が立った。涙が滲んだ。
甘い香りを放つカップを握りしめながら、私は唇を噛み締めた。
「…漣のせいだよ」
とうとう我慢が出来なくなり、責める言葉を吐いた。