あばかれ、奪われる〜セフレから始まる歪愛〜
「白雪に会ってから変なんだ」
「…、へん?」
「顔を見るだけで幸せで満たされる。側に居るだけで安心する。初めて会った日なんかさ、あの日初めて家族がいなくなって薬無しで眠れたんだ。食事の時もそう」
「……」
「だからもっと欲しいと思った。白雪が側に居れば満たされる気がした。…けど、どれだけ触れてもさ、足らないって思うんだよ。毎日だって会いたいし、抱いていたい。このまま俺だけのものにしてずっと此処に閉じ込めておきたいって、我慢が出来ないんだよ」
漣は私を抱きしめてきた。それも強く、離れることは許さないと押し付けるように。
「…だから、他の人を抱くの?」
「…うん」
「何、それ…意味が分からないよ」
筋が通らないにも程がある。彼の言葉を信じるならば、何故、私でない女を抱こうとするのか。
あまりに複雑過ぎて、彼の事が全く分からない。
「だって白雪は…俺のものにはなってくれないだろ」
表情は見えない。なのに何故か、その声は悲痛に聞こえた。