あばかれ、奪われる〜セフレから始まる歪愛〜
「リクエストって言ったって…食材は?」
「定期的にネットスーパー使ってるから大抵なんでも揃ってるよ」
「じゃあ…和食」
「りょーかい」
できるんかい。人には恥ずかしくて到底言えないけれど私は料理はからきしだ。実家暮らしで家の殆どの家事を母がしてくれるので私はへそ天でいるだけ。男だ女だ言うつもりは無いけれど、成人女性としてはそれなりに恥だ。
洗面所で洗顔とスキンケアまで終わらせてリビングに戻れば座って待っててと言われて手持ち無沙汰になる。この時間はテレビショッピングしか放送されてないし、スマホも充電が切れて寝室のコンセントに挿したまま。かと言って料理の手伝いが出来るわけでもないし。
一体どうしたものか、そう思っているとふとテレビの脇に置かれた電子機器が目が入った。
「ねえ、漣」
「なに?」
私はキッチンに駆け寄り、漣に声をかけた。
「ゲーム、借りていい?」
指を指す先には本体だけでもテレビに繋いでも遊べる今やどの家庭にも大抵あるのではと思うゲーム機。
漣の家にあるのは意外だったけれど、見つけてしまったらやってみたくなると言うのが人間の性ではないだろうか。
「いいよ。白雪もゲームするの?」
「うん。私インドア派だもん」
「俺と同じだ」
にこりと笑う漣にデータを使っていいかと聞けば了承が返ってきて、私はありがたくゲーム機を借りることにした。