あばかれ、奪われる〜セフレから始まる歪愛〜
「…関西には何歳までいたの?」
「父親が亡くなった12歳までかな」
「じゃあそこからはこっちに…?」
「そう。母親もそれなりに箱入りだったから祖父と暮らすためにね」
「…。お母様が亡くなったのは」
「17。因みに祖父は23の時だよ」
漣はさらりと言い放った。黙り込む私に対して漣は続ける。
「祖父さんが亡くなった時、俺は大事な人を作ったらいけなんだなって漠然と思った。みんな居なくなるしって。まあそれまでも特段誰かを好きになった事は無いけどさ」
「……」
「だから俺にとって白雪が初恋。最初で最後の恋ってやつなんだろうね。…ごめんね、重くて」
「…ううん…」
嬉しいはずなのに、辛い。
私がこんな仕事をしていなければ、夢を諦めさえできれば彼を救えたんだろうか。けどそれも自惚れかもしれない。
それを知る術も、資格も、私には無い。
「ねえ白雪、勝負しようよ」
「勝負?」
ハッと我に返り怪訝な顔を向けると、漣は箸を置いてにやりと笑った。