あばかれ、奪われる〜セフレから始まる歪愛〜
「5年勝負でゲームで俺が勝てばもう一泊。白雪が勝った場合は君が条件を決めていい。どう?」
「えー…私明日は予定あるんだけど…」
「予定?」
「舞台観に行くの。友達と」
「…舞台、ねえ…」
少しだけ張り詰めた空気に、私はなぜか少しだけ焦りを覚えた。
「こ、この間共演した子とだよ。女の子だし、デートとかじゃないから」
なんで言い訳みたいな事を言ってるんだ。漣から好きとは言われたけど恋人と明言したわけじゃ無いから浮気でもない。相変わらず名前をつけるならセフレという関係で、それ以上の事なんか無い。
それだというのに何故か嫌な音を立てる心臓に変な感覚を覚えながら、漣の答えを待つ。
「…そう」
漣は静かに言うと、目を閉じて一口味噌汁を飲んだ。
「なら、何がなんでも勝たないとね」
それ以上の言葉は言わなかった。私から何かを言うのも聞くつもりはないようだった。
結局落ち着かぬまま朝食という名の昼食を食べ終え、その後の勝負は見事に負けた。
その時の漣の顔は、見たことない程に嬉々としたものだった。