あばかれ、奪われる〜セフレから始まる歪愛〜
観に行く舞台は勿論那由多の出演する演目で、公演初日に萌葉と予定を合わせて観に行った。
関係者席ということで間近で観させてもらい、終了後には少しだけ演者の人達に会わせてもらった。
その際何故か萌葉はずっとソワソワとしており、私が那由多との雑談を終えれば引っ張り出されるようにその場を後にした。どうやら知り合いがいたそうで、非常に気まずい関係らしい。詳しく聞きたい気持ちはあったけど、話せるようになったら話すと言われその時を待つことにした。
そうして劇場を後にした私達は少しだけお茶をして帰ることにし、萌葉が雑誌で見つけたカフェに行ってみる事となった。
「漫画が原作の舞台って初めてだったけど、面白かったね」
私がカフェオレ、萌葉がコーヒーを頼んでスイーツのケーキを待っている間に萌葉がそう切り出した。
「2.5次元俳優に需要が集まるのが分かった。あれはかっこいいわ」
「そうだね。那由多も初めての悪役だって色々と言ってたけどすごく良かった」
「那由多の場合、今日みたいな役の方が似合ってる気がするのは私だけ?」
「それは萌葉がいつも喧嘩ばっかりしてるからじゃない?」
笑いながら言えば、「あっちから突っかかってくるんだよ」と不満気に言っていた。
「ていうか、喧嘩ならそっちが深刻でしょ」
テーブルに肘を置き、少しだけ眉間に皺を寄せて萌葉は切り出した。