あばかれ、奪われる〜セフレから始まる歪愛〜
——けれど美李亜の報道のあった翌日、私は和泉さんから事務所に来るよう呼び出された。
声色からただ事でない雰囲気を感じ、私は血の気が引くのを感じながら事務所へと向かった。着いて早々引き摺り込まれたのは社長室。
中央のテーブルには、一枚の紙が置かれていた。
「白雪、説明しろ」
その紙にはキャップを被った私が写っており、タイトルには『人気上昇中の女優 及川白雪、連日連夜の密会』と大きく書かれている。
頭が真っ白になった私は言葉を発する事が出来ず、そんな私の様子を見た和泉さんが低い声で再び私の名前を呼んだ。
「幸い、今世間は如月の報道一色だ。これも先に気付いた諏訪が止めて他と差し替えてくれてる。お前、如月に救われたな」
これ以上無いほどの嫌味が含まれた言葉だった。
世に公表される事はない、そう言った和泉さんの言葉に私の頭に少しだけ余裕が生まれた。
「これは事実なんだな」
「………はい」
「相手は」
「…一般の方、です」
消え入りそうな声で言えば、和泉さんは頭を抱えながら息を吐いた。