あばかれ、奪われる〜セフレから始まる歪愛〜
思わずガッツポーズを取り、早速スマホで遊ぶ場所を検索する。
「カメラマンやらスタイリストやらはこっちで勝手に決めるからな」
「任せます。私今娯楽の計画立てるのに忙しいんで」
和泉さんの言葉を半分以上聞き流しながら、私はひたすらグアムについて調べる。後で本屋にも寄って帰ろうと内心ほくほくさせていると、メイクルームのドアが叩かれ馴染みの顔が入ってきた。
「白雪ちゃん、こんにちは」
「諏訪さん!お久しぶりです」
かつての恩人、諏訪さんは笑顔で室内に入ってくる。
「…あ、違いますね。和泉さんってお呼びした方がいいですか?」
私の言葉に諏訪さんは一瞬きょとんとした後、すぐに豪快に笑った。
「良いよ〜会社では今でも旧姓だし。白雪ちゃんの立場じゃこの人と混ざってややこしいでしょ」
諏訪さんは2年前、私のマネージャーである和泉さんと結婚をした。
元々大学が同じで知り合いだった2人は私のやらかしを諏訪さんが救ってくれたことで急接近したらしい。それを言われるとなんとも言い難い気持ちにはなるが、結果オーライである。諏訪さんのような大人の女性を選ぶなら、和泉さんが私をクソガキと表現するのも納得がいくというものだ。
諏訪さんは和泉さんの背中を叩きながら楽しげに笑い、和泉さんの悪態を見事にスルーして私との会話を続けた。