あばかれ、奪われる〜セフレから始まる歪愛〜



「いい関係じゃなかったのかもしれない。けど、演者としてもただの女の子としても、恋をすることは大事な気持ちだった。だけどあの時、私達にはそれを阻むことしか出来なくて…結果白雪ちゃんの20代の貴重な時間を奪うことになった」


ごめんね、と諏訪さんはまた眉を下げる。
そんな彼女に、私は首を振った。


「選んだのは私です。あの時断ち切るキッカケをくれなかったら今の私は居ません。だから、いいんです」


彼女は何一つだって悪くない。好きになったらいけない男に恋をしたのも、良くない関係だと分かっていても続けたのも、それを捨てたのも全部私。

だから謝らないで欲しい。そう告げれば諏訪さんは納得はいかないようだったが顔を離した。

後悔は何も無い。未だ断ち切れないのも、私の心が弱いせいだ。

あれからもう何年も経った。きっと彼だって、私なんか忘れて生きている。

あの日に囚われているのは、私だけで十分だ。


その後時間が押しているという和泉さんに間に入られ、急ピッチでメイクを終わらせ衣装に着替えて撮影を開始した。

今はもう昔のように肌を出す事は減った。
あの頃とは、もう何もかもが違っているのだ。



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