あばかれ、奪われる〜セフレから始まる歪愛〜
「それに丁度いいから、この際聞きたい事があるんだよ」
「…なに?」
そう聞き返せば、漣は自分の腰に手を当てて目を細めた。
「とりあえず場所変えようか。人目も気になるしさ」
「……」
いくら外国の地といえど、まるで痴話喧嘩のような私達の言動に少なからずその場にいた視線が向いていた。漣が何を聞きたいのかは知らないけれど、確かにもうこの場所には居づらくなってしまった。
静かに頷き、私はプールサイドに置いていたタオルを持ちビキニカバーを羽織った。
ふと見れば漣はプール内に落ちていたタオルの水を絞っていた。
細かった体は幾ばくか逞しさを増し、均整のとれた身体から漂う色気はかつての比ではなくなっていた。顔立ちといい、身体といい、その全てに思わず見惚れていると漣の視線が流れてきた。
「…行こうか」
漣は私に近付くと、そう言って横を通り過ぎた。私は鳴り止まぬ鼓動を感じながら唇を噛み締め、その後に続いた。