あばかれ、奪われる〜セフレから始まる歪愛〜
とっくに私のことが過去になっているのなら、どう答えたとて彼にとってはただのゴシップだ。それに付き合うつもりはない。
仮に今の彼に本当の事を言って今でも漣が忘れられないと伝えたとしても、どの口がと鼻で笑われて私が傷つくだけだろうし、その逆も然り。
事実、漣からはこちらの気持ちを揶揄するような雰囲気があるだけで他には何も感じない。
それなのに、自ら傷を負いにいくようなこと、したくはなかった。
漣は答えない。私も何も言わない。
そんな無音の時間が流れる中、それを破ったのは漣だった。
「…少し前にさ、夢見たんだよ」
全く脈絡のない言葉に不思議に思うも、遮ることはしなかった。
「白雪が、出てきた」
「……」
「一緒にゲームしててさ。全然勝てないから悪戯しかけて勝ったら、白雪ガチで怒ってた」
膝に置いていた自分の手を、強く握った。
——なんで、
漣も、同じ夢を見ていた。同じ日だっかは分からない。けど、どうしようもなく胸が締め付けられた。
あの日夢の中で見た漣の笑顔を、私は今でも消せないでいる。