あばかれ、奪われる〜セフレから始まる歪愛〜
言ってしまえば後には引けない。けれど私は一度口を噤んで、意を決してそれを口にした。
「…同居するって、言った。漣と一緒に、住む」
「…は?」
最善だったかは分からない。漣がどう思うかも。
それでも少しでも漣の意識がそれてくれるなら何でも良かった。とにかく今はこの状況をどうにかすることしか、頭になかった。
「…本気?」
そう聞かれ、こくりと頷く。
「…昔、言ってたじゃない。実家出てうちに来いって」
「…言ったね」
「私…今、一人暮らし」
漣の腕が離れた事で身体を押し、ずり落ちた服を肩にかけながら起き上がった。
「…いつでも来ていい。だから、やめて」
ぐっと涙を拭えば視界がクリアになり、呆けた顔をする漣の顔がしっかりと見えた。
果たして吉と出るか凶と出るか。色々な感情が入り混じって胸を鳴らしていると、無言のまま背を向け、ベッドから降りた。