あばかれ、奪われる〜セフレから始まる歪愛〜
スタッフは若い女の子なので前回彼が打ち上げ会場で潰れたことは知らない。当然の反応だなと思いながら元々着てきた私服に着替えていると、こちらを見つめている視線に気付いた。
「なに?」
短くそう問えば、彼女は一瞬躊躇しつつも静かに尋ねてきた。
「及川さんって…霜月さんとどういう間柄なんですか?」
唐突に出された名前にぴたりと動きが止まる。
真っ直ぐに見つめられる視線から目を逸らし、どうして?と聞き返した。
「今日の撮影が終わる少し前、霜月さんから今回着た服は及川さんに渡すから全部事務所に送っておくよう言われたんです」
「…そうなの?」
「はい。お祝いだって仰ってました。けど、普通そんな事しないじゃないですか。…だから、その…」
それに続く言葉はなんとなく想像がついた。なるほどそういうことかと腑に落ち、「ふうん…」となんでもないように答えた。
「霜月さん、私が無名の頃から応援してくれてたから…多分それでかな」
シャツのボタンを留め、スキニーパンツに手を伸ばす。
「けど流石に全部を無償でいただくわけにはいかないから、ある程度は請求するよう言っておいてもらえる?」
「…あ、はい…」
「…気になる?霜月さんのこと」