あばかれ、奪われる〜セフレから始まる歪愛〜
単刀直入に聞けば泳ぐ視線。私も昔はこうだったのだろうかと、初々しい姿に複雑な思いに駆られた。
「いえ、その、気になるというか…私と同じ一般人なのに、すごく綺麗な方だなって…」
髪の色が落ち着いたこともあって以前のような軽い印象は抑えられ、その分大人の男性としての魅力を増したからか憧れる子は多いようだ。確かにあれだけの美貌で一般人とくれば、多少の希望を持つのは仕方がないと思う。
本当に、どこまでも罪深い男だ。
「…そう」
スキニーを履き、その場を後にしようとバッグを手にしてその子の肩を軽く叩く。
「…けど気をつけてね。彼、女癖悪いから」
いつだったか諏訪さんに忠告された台詞をそのまま告げた。この言葉に深い意味は無い。例え彼女が漣の魔の手にかかろうが、私が口を出すことじゃない。
呆然とする彼女に笑みを返し、私は控室を出た。