あばかれ、奪われる〜セフレから始まる歪愛〜
突然違和感のない日本語を話し始めた男に、文字通り私は目を剥いた。そんな私に呆れた視線を寄越しつつ、漣は男に向かって冷たく吐き捨てる。
「日本人ナンパしたいならリゾート地での行動パターンはどこも大体同じだってこと、覚えておいた方がいいぞ」
「ハハッ、そうみたいだね」
そう言うと男は、手に取っていた私の手の甲にキスを落とした。
「日本の女の子ってキュートで大好きなんだけど、一際いい女が1人でいてラッキーと思ってたのに…男が居たとは、残念」
男はそう言うと手を下ろし、優雅に去っていった。
「…居たなら助けてよ」
私はそんな男の背を見送る事なく漣を睨んだ。すると漣は許可を得るでもなく私の座るソファーに腰掛け、我が物顔で脚を組んだ。
「人に女けしかけといて堂々と男たぶらかしてるから、どうするのか気になってね」
「何言ってるの。どうせ最初から見てたんでしょ?誑かされてたのは私。それにけしかけてなんか…」
「白雪についてたスタッフの女。俺に夜の誘い持ちかけてきたんだけど」
「……」
漣の台詞に無言を返すと、彼は私の飲みかけのジントニックを最後まで飲み干した。