あばかれ、奪われる〜セフレから始まる歪愛〜
分かった、そう言おうとしたのだが、漣はそれを遮るかのように続けた。
「その代わり、俺を専属にしてよ」
言葉の意味が分からず、目をぱちくりとさせた。
「…専属…?」
「昔、こうも言ったよね。売れっ子になったら専属のスタイリストにしてって」
「……」
少し記憶が改ざんされている感じが否めないが、専属にしないかと問われたのは事実だ。
専属のスタイリストにするだけならば確かにリスクは低い。今回の件でわざわざ社長達が彼に依頼をした事から私が何か言うまでもなく話は通るだろう。私にとってもこれ以上無い提案。
なのにどうして、こんな気持ちになるのか。
少し考えてはたと思いつく。
——ああ、そういうことか…
私が居れば漣は自由に女を連れ込めなくなる。どこか冷静な私は、腑に落ちるものを感じていた。
漣に聞こえない声量でため息を吐く。その脇で漣はくるりと体の向きを変え、足を進めた。
「で、ここからが本題だけど」
漣はそのまま室内を歩いていき、ベッドへと腰掛けた。