あばかれ、奪われる〜セフレから始まる歪愛〜
再び漣の部屋を訪れれば笑顔で迎えられ、ラフな格好をした漣は「行こうか」と外に出た。
ホテルから出るまで並んで歩き、それに違和感を感じた。公の場でこうして素顔を晒して男性と歩くなんてもう何年もしていない上、相手があの漣とあればそれも仕方ない。まるでこんなの恋人同士のデートだ。恋人なんて、私と漣から1番縁遠い言葉なのに。
自分で思って勝手に落ち込んでいる事実に密かに嘲笑していると、ふと漣に腰を抱かれた。
「デートって認識でいいんじゃない?」
「……」
またこの男は人の心を読んだな。疑いの視線を投げ掛ければ睨まないでよと笑う。
「少なくとも俺はそのつもりだよ」
「…どの口が」
「俺は初めてで楽しみだよ、こういうの」
静かに見つめ、一呼吸おいて問い返す。
「食事だけじゃなく出かけたりもしなかったの」
「最終的にやることは同じなのにする必要無いかなって」
「最低。女の敵」
「言うね。…けど、俺にとって女の子はそういう対象じゃなかったんだよ」
「はあ?」
漣の視線が外れる。彼は目の前に広がるエメラルドグリーンを眺めていた。