あばかれ、奪われる〜セフレから始まる歪愛〜
目的地に到着し、私が初めて見るイルカの群れに目を輝かせているのを漣はただ見つめているだけで、本当に関心が無いようだった。
ツアーの一環で少し海に潜った時も漣は船上から眺めているだけで、満足した私が海から上がれば甲斐甲斐しくタオルで身を包んだり飲み物を渡してきたりと私の世話ばかり焼いていて、楽しいのかと聞けば「勿論」と返された。
「漣の趣味って何」
次の予定であるシュノーケリングへの移動の最中、今更ながらにそんな事を聞けば漣は少し考え込む素振りを見せた。
「なんだろうね。考えたことないや」
「ゲームじゃないの」
「好きは好きだけど、趣味ってほどじゃないかな。どうしたの急に」
「別に…」
一度視線を外し、一呼吸おいて続ける。
「時間が欲しいなんて言っておいてただついてくるだけだから、したい事無いのかなと思っただけ」
「したい事ならしてるよ」
間髪入れずに返ってきた答えに視線だけ返す。
「こうして誰の目を気にする事なく白雪の側にいること。日本じゃ出来ないから」
「……」
「まあでも、確かに自分から申し出ておいて何もしないっていうのは女性に失礼かな」