あばかれ、奪われる〜セフレから始まる歪愛〜
確かに、漣に背中を向けたままでもらえてなかったらバレていた可能性は否定できない。だから私も声をかけなかった。
漣との関係云々以前に私はプライベートには立ち入ってほしくないタイプだ。かと言ってファンサを疎かにするのも望むところではないので、彼の機転には感謝すべきなのだろう。
そうは思うが、面白くはない。
「嫉妬って、誰が?」
漣を睨む。仮にそうだったとしても、彼の口から言われるのは相当癪だった。
サングラス越しに目が合うと、漣は違った?となんとも腹の立つ返答をした。
「なら俺の思い上がりかぁ」
残念と言うのを聞き、私は足を止める。
——違う。そうじゃない。
「白雪?」
私が止まったことで漣も足を止め、不思議そうに尋ねてくる。
「…じゃない」
小さく呟けば、漣は屈んで耳を寄せてきた。
「…嫉妬じゃない。羨ましかっただけ」