あばかれ、奪われる〜セフレから始まる歪愛〜
「まあでも俺、白雪の事セフレだなんて思った事一度も無いけどね」
「よく言うよ。頻繁に女連れ込んでおいて」
「まあそれは否定できないけど。あの頃も言ったけど白雪は特別だったよ」
「特別だったらいいってものじゃないんだよ」
「そうだね」
渇いた笑いを落としながら、漣は続ける。
「けど、愛してたのも本当だった」
その言葉に返事を忘れる。かつて微睡の中で聞いた言葉は本当だったのかと、朧げな記憶に想いを馳せた。
「けど、そんな俺の気持ちを当時の白雪が受け入れられないのは当然だった。そんな事すら分からないくらい溺れてたし、君が好きでたまらなかった。…いや、違うな」
「…なに」
「今でも好きだよ、白雪のこと」
漣の言葉に胸が高鳴った。だというのに、私は彼の顔が見られなかった。本心なのかと、疑ってしまったから。
「俺自身の事を人に話したのは初めてだったし、白雪だけだった。それでも離れていった君に絶望したし自暴自棄にもなったよ。君が俺を断ち切った先でどんどん成功して、テレビを点ければ見られるのに会えない事実が堪らなく苦しくて、日本を離れた」
それでも手放してよかったなんて一度も思えなかったと、漣は続けた。
「思いっきり離れればどうにかなるかもなんて浅はかだったよね。けど、まあなんとか生きてはいけてたし…本当は今後も会うつもりは無かったんだよ」