あばかれ、奪われる〜セフレから始まる歪愛〜
漣に手を取られ立ち上がる。かち合った視線に、相変わらず色は無い。
「君の事務所の社長からたまたま依頼がきたのも本当。下心はあったけど白雪が望まないなら関わりは最低限にするつもりだった。…けどやっぱり、あっさりブレーキ壊されちゃったよね」
「…え」
漣の目が色を変え、手が首筋に触れた。
「再会した時からすぐに白雪の気持ちには気付いたよ。だから、手放す気が失せた」
肩に落ちた手は服をなぞり、そのまま背に回って抱き締める。
「相変わらず俺なんかの事が好きなんだなと思ったら理性なんて木っ端微塵だよ。…知ってる?白雪。俺、猫被るの上手いんだ」
「……」
「昔の俺は君に対して僅かな理性が働いてただけ。こっちが俺の本音。相手の都合も気持ちも欠片も考えるつもりなんか一切無くて、ただ欲しい物を手にしようとする、本能の権化」
「…っ」
「俺が優しくしようとしているように見えた?ほんと男を見る目ないよね、白雪って」
明るい言葉とは裏腹にその言葉は冷たく深く、私の今までの一切合切が全て勘違いだったと気づく。
漣が抱いてるのは恨みじゃない、もっと深くて、彼ですら制御できない感情なのだと。