あばかれ、奪われる〜セフレから始まる歪愛〜
恐る恐る目を開けば差し出されたのは契約書。それを受け取って簡単に読むと私との専属の約束を交わしたと書かれていた。
「いや…確かにそういう話はされましたけど、返事は…」
そういえば、とはたと思いつく。あの時私は返事をしたっけ、と。上に打診してみればとは思ったけれど、どちらとも返事は返していないはずだ。
「…してないですね。ただお断りもしなかったです」
「はー…何よりまずこっちの報告が先だろ」
「なんでです?」
「お前、霜月の専属契約料知らねえのか」
「?」
そんなの私が知るわけないじゃないか、そういう視線を向ければ射殺さんばかりの睨みが返される。
「半月だけでもまず三桁は下らねえ。長くなればもっとだ」
「みっ…」
あまりの衝撃に言葉が続かず咽せ返る。それに心配の言葉すらかけない和泉さんは呆れた目だけを向けていた。