あばかれ、奪われる〜セフレから始まる歪愛〜
「前から再三言ってるけどな、お前はもう少し同業種以外にもアンテナ張っとけ」
「そうは言われても…アーティスト業界は人も多いですし」
「そうでなくてもSNS見りゃどんくらいの奴かは分かるだろ」
「私SNSしてないんで」
「あーそうだったな。俺の育て方の問題だったな」
イライラとしながら和泉さんはスマホを取り出し操作して私に投げてくる。そして映し出されたものに目を見張った。
「…これって…」
「見た通りだ。フォロワーは100万越え、本人のビジュアルもさることながらハイブランドからマイナーブランドまでの幅広いデザインの着こなしに投稿はまずバズる。加えてこっちの著名人からの支持に、現活動拠点の有名モデル達も何人か担当してるときた」
「……」
投稿を辿っていけば頻度は多くはないが定期的にアップされている写真にはおびただしい数のいいねとコメントが寄せられている。
ギギギと錆びれたブリキ人形の如く顔を上げれば、相変わらず鋭い視線を向けてくる和泉さんと目が合った。
「少し前にも諏訪のとこの雑誌で特集組まれて増版かかりまくってたらしいけど…その様子じゃ当然知らねえよな」
「…私、ファッション雑誌って読まなくて…」