あばかれ、奪われる〜セフレから始まる歪愛〜
肩を落としながら和泉さんにスマホを戻す。それを受け取りながら、彼は頭が痛そうに目元に手を当てた。
「俺はこれから事務所戻って事実確認だ。お前はタクシーでも拾って家帰れ、いいな」
「すみません…」
「場合によっては明日の仕事は別のに迎えを寄越す。スケジュールとメッセージは逐一確認しておけ」
「分かりました」
和泉さんに言われ車を降りればすぐに発進し、それだけ大事なのだと痛感する。そもそもこんなに早く契約について話が進むと思っておらず、逆に私の方が混乱だ。
タクシーを呼んで自宅を告げる。車内で揺られながら萌葉の投稿を見る為だけに作ったアカウントで漣を探せばすぐに見つかった。
投稿を遡っても載せているのは自身のコーディネートや仕事に関する事だけで、担当したであろうモデルや、あとは先程和泉さんの言っていた雑誌の特集の情報の事も載っていた。プライベートな事に一切触れてない事から、仕事用アカウントなのだとすぐに分かった。
自分の魅せ方をよく知っている男だとは思っていたけど、それを活用する術もよく知った男だとは。末恐ろしい。
何気なく投稿を遡っているうちに腑に落ちない感情が芽生えてきた。
ていうか今回の事、私が悪いのか?と。