あばかれ、奪われる〜セフレから始まる歪愛〜
腑に落ちないものを抱きながらも言われた通りに共有スペースに入り、適当なソファで腰を下ろした。時間も時間のため無人のそこにぽつんとひとりきり。
そうなると変装も必要ないなとキャップもマスクも外し、お腹も空いたし手持ち無沙汰なのでいつでも食べられるようにバッグに忍ばせているプロテインバーを無心で食べた。
それから20分ほど経った頃だろうか、無人のそこに人が入ってきた。
「お待たせ」
白雪、とまるで感動の再会の如く私に駆け寄り抱きついてきた漣に、予想はしていたはずなのに私は信じられないものを見るような目を向けた。
「ちょ、何。なんで日本に…いつ帰ってきてたの?」
「今朝。白雪に早く会いたくて」
「最低でも1週間って…」
「まあどうでもいいじゃん、そんな細かいこと」
漣はにこにこと笑いながら手を取り立ち上がらせる。
「じゃ、行こうか」
「へ、」
どこに、そう聞こうとして私はハッと思いついた。
「ち、ちょっと待って。一体どうやってエントランス抜けたの…?」