あばかれ、奪われる〜セフレから始まる歪愛〜
この男が普通でない事は分かっていた。けどそれは内面の話であって、そこに財力が加わると更に恐ろしさを増すのだと、今初めて戦慄している。
そんな事など意にも介さない漣は至極ご機嫌に私の腰を引きながら誘導する。ここは私の家でもあるので誘導という言葉のセレクトはおかしいけれど、その言葉がピッタリなくらい、ナチュラルにエスコートされた。
このまま階層まで一緒だったら流石に狂乱ものだが流石にそれはなく、私の部屋より3階ほど下の階でエレベーターを降りた。
内廊下を抜けてとある部屋の前まで行くと、漣がキーを差し込みどうぞと迎え入れられる。
一瞬躊躇するも聞きたいことが山ほどあるのでそのまま中に入った。そこである程度家具が揃い整えられた部屋に、私はまた訝しげな視線を投げかけた。
「今朝帰国したのに一体いつこんなに部屋を整えたの」
「あー、これはモデルルーム用の家具を適当に置いただけだから俺の趣味じゃないよ」
「…あ、そう…」
「けどゲーム好きな白雪の為に、テレビだけは大きいの付けておいたからね」
後ろからハグされチュッと頬にキスをされる。というか、プロポーズを受けてからずっと体のどこかしらが密着しているのは、私の気のせいだろうか。