あばかれ、奪われる〜セフレから始まる歪愛〜
「白雪、はいこれ」
「…なに」
手渡されたのは先程の鍵。それが何なのかは聞かずとも分かった。
「いつでも来てね。ていうか、此処に住んでくれてもいいよ」
「却下。それよりまず漣は私に説明する事あるでしょ」
「つれないなあ、白雪は」
言いながら漣はとりあえず座りなよと言い、私もそれなりに疲れているので渋々ソファに腰掛けた。
「漣、契約の事だけど…」
「まあひとまず落ち着いて。白雪夜食べてないでしょ。インスタントだけどスープ作るから待っててよ」
「う…」
そう言われると胃が改めて空腹を訴えてくるのだからどうしようもない。言葉を引っ込め大人しく座って待てば、間も無くして漣がマグカップにスープを注いで持ってきた。
温かいビーフコンソメに少しだけ冷静さを取り戻す。同じように漣もマグカップを持って隣へ腰掛けてきて、彼はそれを目の前のローテーブルへ置いた。
「俺、さっきまで白雪の事務所に居たんだよね」
「…それは、専属の件で?」
「そー。契約金はいいからおたくの白雪さん僕にくださいなんて、家族への挨拶みたいで緊張した」
「…どこまでが事実?」
「わりと全部」