あばかれ、奪われる〜セフレから始まる歪愛〜


「白雪、最近身近で変な事起きてないか。付き纏われてたり、自宅に何か届いたり」

「?いえ、特には」


もちろんその言葉を漣が聞き逃すはずがない。
表向きは笑顔を向けてはいるものの、どこか雰囲気の張り詰めた様子で和泉さんへ聞き返していた。


「どういう事です?」

「…白雪にはまだ言うつもりはなかったんだけどな」


そう前置きして、会話の主導権を社長へ譲った。


「あの報道があってからね、事務所に変な手紙が届くんだよ」

「変な手紙?」


そう言って社長は紙を一枚差し出し、伏せられたそれを私が取ろうとすれば漣に制され代わりに彼がそれを見た。


「……なるほど」


表情を変えずに漣は社長へと紙を戻す。


「所謂熱狂的なファンってやつだ。白雪は比率的に男のファンが多いし、これまで異性関係の噂が立たなかった分、尚更ね」

「……」

「この通り、今はこういう輩に改めて刺激を与えるのは良くないっていうのが事務所の判断だよ」


交際自体は好きにしろ。そう和泉さんは付け加えた。少し背筋に寒いものを感じながら漣を見ると、顔を顰めていた漣が私の視線に気付き安心させるように笑いかけてきた。
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