あばかれ、奪われる〜セフレから始まる歪愛〜
「もう何年も前の話だし、あれから5年もそういう事ないんだから今後も無いよ」
「けど俺は白雪がそいつと会ってる間やきもきしながらマテしなきゃならないってことでしょ?」
「…なに、また女でも連れ込むつもり?」
そう声を落として言えば、漣は少しだけ目を開いてすぐに細めた。
「妬いてるの?かわいー」
「…信用無いだけだよ」
「はは、そっか。けど安心してよ、そんな事しないから」
漣は口元にあった私の手を掬い、手のひらにキスをした。
「飲み会、今回は過去の俺の愚行に免じて許してあげる。けど、お酒は絶対飲まないで。俺の連絡にはすぐに返事して。一次会ですぐ帰ってきて。それから…」
グッと腕を引き寄せ、耳もに口を寄せた。
「帰ってきたら抱き潰すから、覚悟しといて」
どこまでも甘い声で囁かれ、鼓膜から伝わる響きに脳まで痺れそうになった。
柄にもなく顔に熱が集まり、自分でも恥ずかしくなるくらい赤くなったのが分かった。
「よ、要求多くない?」
「本当なら俺の目の届かないところになんて行かせたくないんだよ。これが最大限の譲歩だ」
漣はそう言って頬をひと撫ですると、背もたれに身を預ける。余裕の表情で「食べないと時間無くなるよ」と言うので酷く悔しくなった。
けれど時間があまり無いのも事実。目を背ける事なく私の顔を見て幸せそうに笑う漣から不機嫌さを隠さず目を背け、バケットサンドを頬張った。