あばかれ、奪われる〜セフレから始まる歪愛〜
「で、結局会社名が『blossom Design』でお前の苗字を文字っただけで、ブランド名が『Kirsche(キルシェ)』でドイツ語で"さくらんぼ"だっけ。まんま過ぎてクソウケる」
「よーしその喧嘩買った。飲み比べで勝負しろ」
「はっ!毎度毎度潰れる奴が何言ってんだ」
「負けるの怖いんだ〜?」
口元に手を当てながらニヤニヤして言えば、那由多の眉がぴくりと上がる。「ぬかせ」と短く吐いた彼が追加の注文で生ビールの大ジョッキを選んだのはすぐのこと。
これは今日は私が介抱係になるのかな、なんて若干の困り果てていれば、次々と食べ物と追加の飲み物が届いて、私の事などお構いなしに飲み比べを始めてしまった。
果たして勝者はいかに。と早速バチバチと敵対心を剥き出し合う2人に一切合切を諦め、頭の中でしょうもない実況をしながら私は1人、自身のリクエストした揚げ出し豆腐へと箸を伸ばした。