あばかれ、奪われる〜セフレから始まる歪愛〜
牽制と忠告
いつもなら酔い潰れた萌葉をタクシーに突っ込んで送り出すのが常なのだが、今日に限っては那由多も頼りなかったので3人の乗り合わせで帰ることにした。
店から近い順に萌葉、そして次に私の自宅という流れになるのだが、一緒に後部座席に乗った萌葉が私の肩を枕にして寝てしまった為その重みを感じながら帰宅の旨を告げる連絡を入れた。
メッセージはすぐに既読になり、スマホを手に待ち構えている漣を想像したら少しだけ笑ってしまった。
間も無くして萌葉の自宅に到着し、彼女の同居人に本格的に寝入ってしまった萌葉を預け、次に私の家に向かう。そうして自宅のエントランスに繋がる地下駐車場に着いた時、タクシーのドアが開き降りようとすればそこに手がかけられた。
「えっ…」
見ればキャップを被って顔をほんのりと隠した漣で、人差し指を口元に当てて笑った。
「わざわざ降りてきたの?」
小声でそう聞けば漣は頷く。
「俺との約束忘れてないか心配で」
「…!」
約束と言われて思い出す。この後自分がどうなるかを思わず想像してしまい体に熱が集中した。