あばかれ、奪われる〜セフレから始まる歪愛〜
言葉を続けようとしたところでノックもなく無遠慮にドアが開かれる。流石の和泉さんも返事無しに入ってはくるがノックは一応するので、それをしない人物は1人だけ。
「白雪、和泉さんが連絡つかないってキレてるけど何してるの?」
漣は当たり前のように控室に入ってきては首を傾げる。いつもならノックをしろとお小言をひとつ漏らすが、今ばかりは丁度いいと手招きをした。
「萌葉、テレビ画面にできる?話すより見た方が早いと思うから」
『?うん、いいけど』
萌葉の返事を聞きテレビ画面に切り替える。映し出された萌葉に軽く手を振ると、漣に顔を向けた。
「萌葉。挨拶してくれる?」
私の短い言葉にある程度を察したのだろう、漣は微笑んでオッケーサインを作ると私の隣に立った。
「萌葉なら知ってるかな?私のスタイリストで恋人の霜月漣さん」
「どうも。こんにちは」
インカメのワイプでは完璧な営業スマイルを浮かべた漣が笑っていて、スマホの画面には目を見開いた萌葉がぽかんとした表情で映っていた。