あばかれ、奪われる〜セフレから始まる歪愛〜
『えっ?え?知ってる…ていういかフォローしてる……え?本物?』
「本物って?」
『いや、だって!びっくりするでしょ!てっきり一般の人かと思ったのに…いや!一応はそうなんだけど!…れ、レンさん、だよね?霜月、さん?い、今日本にいたの?え?』
萌葉は完全にパニックになっておりあわあわとしている。この慌てよう、今は混乱して言葉が出ないようだが後々すごい数の質問と文句が飛んできそうだなと眉を下げた。
「ずっと言わなくてごめんね。詳しい話はまた会ってするから、ひとまずは切らせてもらっていいかな。うちのマネージャーがキレてるらしくて…」
『あ、ああ…そうだね…私も整理する時間欲しい、かな…』
余程の衝撃だったのか萌葉は未だ呆然とした表情をしている。協力を要請しておいて申し訳ないなと思いつつ、またねと言ってその電話は切った。
「漣って本当に有名人だったんだね」
「どうだろう。というか、俺を紹介なんて突然どうしたの」
「佐原さんの事で相談してたんだけど、萌葉が恋人がどんな人か知りたいって言うから」
「…またあの男?」
眉を顰める漣に困り顔を返す。
「漣かと思ってドアを開けたらあの人で。咄嗟に萌葉に電話もらって助けてもらったの」
「……」
漣の機嫌が悪くなっているのは気付いていたけれど、ひとまず急がなかればと荷物をまとめていると後ろから手をつかれ、テーブルとの間に挟まれる。