あばかれ、奪われる〜セフレから始まる歪愛〜
誰のせいだと文句を言いたくなったが、元を辿れば私の不注意さが原因ではあるので反論はしなかった。
鏡を見れば確かに頬を紅潮させた自分が映っていて、心なしか目元も潤んで見える。漣といる時の自分はこんな顔をしているのだと、初めて知った。
「…漣だけだなのに」
あの日、無理やり部屋に乗り込まれた時だって、ダメだとは思ったけど嫌では無かった。触れられて嬉しいのだって、漣だからだ。
興味の欠片もない人から迫られたって、喜べる訳がない。
萌葉の言う通り、漣との交際を公表すれば落ち着くのだろうか。いや、それよりも…
——結婚…
先延ばしにしているプロポーズを、受けるという選択肢もある。
心配していたような女の気配も無く、寧ろ最近では意図的に避けているような気すらしてくる。常に私にベッタリと張り付いていて、プライベートでもほぼ時間を共にしている。
同居はしないと宣言していたくせに今や私の部屋にほぼ居着いていて、家賃を無駄にしている節もある。