あばかれ、奪われる〜セフレから始まる歪愛〜


信頼するには早いだろうか。けれどそういうのはいつを目安に決めればまたいいのか。半年?一年?だとしても、きっと不安はずっと消えることはないと思う。

ならば、それほどまでに時間をかける理由は、果たしてあるのだろうか。


「……」


ひとまず、考えるのは後にしよう。

頬に手を当て無理矢理にでも赤みを落ち着かせ、軽く叩いて部屋を出た。ドアの前には気怠げに視線をスマホに落とした漣がいて、非常に声をかけづらい雰囲気を放っていたものの、私を目視するなり顔を綻ばせた。


「行こうか」


自然に背に手を添えられる。優しくも温かい手だ。今や漣の柔らかな微笑みは私1人にだけ向けられる。

これ以上を望むのは我儘なんだろうか。

そんな事を思いながら、私は漣と共に和泉さんの待つ車へと足を進めた。

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