あばかれ、奪われる〜セフレから始まる歪愛〜
案の定車に乗り込むなり和泉さんからは小言を散々言われ、相手を確認せず控室に立ち入らせた事を叱られた。
うんざりとしながら「はーい」と聞いているふりをしながら聞き流し、自宅に到着すれば早く解放されたい私は一目散に車を出た。
「和泉さん」
いつの間にかマネージャー呼びでなくなった漣が彼の名を呼び、明日のスケジュールを確認しだす。
「明日なんですけど、俺外に用事が出来たので出てきます」
「珍しいな。別行動なんて」
「こう見えてちゃんと仕事してるんですよ、一応ね」
そう言ってひらひらと手を振り、ドアを閉めて車を見送った。
漣は一見何も変わらない態度で私の体を抱き、当たり前のように私の部屋に上がってきた。
夜食でも作ろうかと聞かれたのでありがたくそれに甘えてみたものの、キッチンへ向かおうとする漣の背中に不安を感じて思わず服の裾を掴んだ。
「…明日、どこ行くの」
漣が私と別行動をしたがるなんて初めての事で、胸にざわつくものを感じた。漣は袖を引かれた事に意外そうな顔を見せたが、すぐに笑顔を見せて抱きついてきた。