あばかれ、奪われる〜セフレから始まる歪愛〜
助けを求めるようにメイクさんを見れば、にこりと微笑みを返された。
「漣くん、白雪ちゃんのファンだもんね」
助けにも何もならない応えを返され、霜月さんもそれに対して美しい笑顔だけを見せた。
「じゃあ白雪ちゃん。衣装、確認しに行こっか」
「…はい…」
声を落として返事をした私に「またあとでね〜」と背後から声がかかり、一緒に来てくれないんだと落胆した。
霜月さんの後に続いて衣装の用意された控室に入ると、パタンと扉が閉じる音と同時に距離を詰められた。
「どうして連絡くれなかったの?」
待ってたのに。そう言う霜月さんは扉に手をつき私を挟み込む。
心境的には崖に追い込まれた犯人のようだ。火曜サスペンスか、ここは。
「ショックだったなあ、俺」
「れ、連絡するなんて言ってません…」
「ふーん。じゃあ、俺の入れといた電話番号はちゃんと見たんだ?」
「あ、」
しまったやらかした。連絡先なんて知らないと言えば良かった。しかしそうは思うが後の祭り。霜月さんは更に顔を寄せてくる。