あばかれ、奪われる〜セフレから始まる歪愛〜
「…ねえ、漣。さっきの佐原さんとの話、どこから聞いてた?」
漣の瞳がゆっくりと開かれる。その名前にあからさまに眉が寄ったけど、素直に答えた。
「…同族嫌悪云々ってところかな。激しく同意だよ」
「…そっか」
1番大事なところを聞かれていなかったのだなと、少しだけ残念に思い、安心した。
「漣には私が頼りなく見えてるんだろうけど…実は漣が来る少し前にね、私言ってやったんだよ」
「…何を?」
訝しげな顔をする漣に、私はにこりと笑った。
「結婚を考えてる人が居るって、はっきり言った」
「……」
「それでも食い下がってくるから動揺したけど…私、ようやく心が決まったよ」
私は一度左手の薬指に嵌められた指輪を抜き去り、漣の手にそれを持たせた。
「漣のプロポーズ、受けるよ。だからもう一回、これで仕切り直してくれる?」