あばかれ、奪われる〜セフレから始まる歪愛〜



「いや真面目な話ね。結婚後もこの業界で仕事していくなら避けられない問題だよ」

「…うん…」

「全部がこれまで通りにはいかないよね。少なからずイメージに影響は出るし、家族が増えればそっちに世間の目が向くのも避けられないしね」

「そうだね…」

「白雪?どうしたの?」


何か変だよと聞いてくる萌葉に、私は少しだけ眉を下げた。


「いや…熱愛報道の時から少し思うことがあって」

「というと?」

「時々分からなくなるんだよ、報道ひとつで変わる印象って…これまで積み上げてきたものって何だったのかなって」


何を当たり前の事をと思うかもしれない。私達の仕事はそういうものだ。けれどそれまで違和感程度に感じていた思いを、ここにきて強く実感するようになった。

那由多との報道があって以降、それまで応援してくれていたファンが途端に牙を剥く。矛先が自分であったり、最悪の場合は相手であったり。

今回は幸い何も無かったけれど、もし誰かが傷つくような事があれば、どうなっていたんだろう。それはこれからだって同じ事。

そう思うと、とても居た堪れなくなる。

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