あばかれ、奪われる〜セフレから始まる歪愛〜



「悔しいけど、私達にできる事なんて限られてるよ。変装したり、行動をパターン化しないようにするとかね」

「そうだね。それを言うと今日この場所提供してくれてありがとう。外で話すよりよっぽど安心できるよ」

「良いところでしょ、ここ。けど快適過ぎてここでつい寝泊まりしちゃうのが玉に瑕なんだよねぇ」

「ほどほどにしないと体壊すよ」

「分かってるよ」


私もケーキを食べ終え、そろそろお暇した方がいいかななんて思っていると、部屋のドアが叩かれた。


「萌葉?話してるとこ悪いけど、そろそろ会議の時間だから呼びにきた」

「あー、もうそんな時間か〜」


萌葉は気怠そうに言い、ソファにもたれたまま天を仰いだ。そんな彼女を見ながら笑みを溢し、私はゆっくりと立ち上がった。


「じゃあ帰るね。忙しいのに話聞いてくれてありがとう」

「いいえ〜。私もあんまりゆっくりさせてあげられなくてごめんね。また時間出来たら会おう。…あ、帰りタクシー使うなら呼ぶよ?」

「そうだね、お願いしてもいいかな?」

「オッケー。杏汰、悪いけどタクシー手配してくれる?」


杏汰と呼ばれた萌葉を呼びにきた男性は短く了承を返して部屋を出て行った。

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