あばかれ、奪われる〜セフレから始まる歪愛〜



「ねえ白雪、引っ越さない?」


漣から話を切り出されたのは、萌葉の事務所から帰宅して間もなくして帰ってきた漣を迎え入れ、和泉さんから預かったという仕事の資料を一緒に読み込んでいた時だった。

唐突過ぎる話の切り出しに、彼の性格にもだいぶ順応してきた私は驚く事なく「急になに?」と返した。


「前に言ったこと覚えてない?俺の持ってる物件に来てもらう予定だったって」

「覚えてるけど…なんで今?」

「結婚するんだし、2人の家を整えるのは当たり前だと思うけど」

「…まあ、確かに…?」


頭を傾げながら言うと、漣は封筒を取り出し手渡してくる。

中を見ればその物件の資料で、大手不動産会社の最高級グレードのシリーズのひとつだった。24時間コンシェルジュ常駐でフィットネスジムやシアタールームなどの施設もあり、何より防犯対策が厳重だ。5重のセキュリティなんて聞いたことがない。

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